川島博之さんの「戸籍アパルトヘイト国家、中国の崩壊」が面白かったので、最近出た「日本人が誤解している東南アジア近現代史」も読んでみた。ただこちらは、タイトルから入ると何が言いたいのか分からない本だった。誤解していると思うのは筆者だけで、殆どが旧知の内容だったのでちょっとガッカリした。ただ後半の華僑の話は面白かった。どこの国も経済を牛耳っているのは華僑だが、ベトナムには殆どいないと言う。長年の歴史から来たらしい。また華僑の職業は商人であるが、音楽家、製造業、学者がいない。言われてみればその通りである。同じ国を捨てたユダヤ人と比べると、その違いが鮮明になった。
また新幹線の話も面白かった。これも知らなかったが、中国の新幹線は今や2万9千キロにもなっているらしい。日本が3千キロだから約10倍である。ただ国土が広すぎてあまり使われていない路線が多いという。やはり遠距離は飛行機の方が便利なようだ。万里の長城もそうだったが、大規模な土木工事は時の権力の象徴で、中国のお国柄らしい。そう言われれば、一帯一路も土木工事だった。使われようと使われまいと採算も二の次で、一度決めたら突き進む末路はどうなるのだろう?
また東南アジアの新幹線も期待出来ないと云う。理由は国土が狭いのと、暑いのでドアツードアの自動車の方が便利という。現地に住んでいる人だから、見えてくるものがある。
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