Thursday, 4 June 2020

お別れに来る

先日テニス仲間のKさんが亡くなった。大学の先生で歳は80歳半ばだったか、冬にベンチで雑談したのが最後になった。自宅に柿木があり、よく捥いではクラブに持ってきてくれた。その時は特に体が悪いという話は出なかったが、やはりどこか悪かったのだろうか?唐突な訃報に驚いたが、あの時話をしておいて良かったと思った。
 
3年ほど前には商社マンのWさんが亡くなった。まだ60歳半ばだったので早かった。Wさんバンダナ姿でボールを追いかけていた明るい性格の人だった。暫く見ないと思っていたら、ある時突然普段着で現れた。見ると顔色は真っ白で、病気を患っていた事が直ぐに分かった。昔からヘビースモーカーだったが、その時も煙草を吸っていた。周囲からは「駄目だよ吸っちゃ!身体に良くないよ!」と注意されていたが、笑って聞き流していた。それから暫くしてWさんは亡くなった。お葬式に行き慰霊の写真を見ると、元気だった頃の笑顔が蘇ってきた。あの時やって来たのは、皆にお別れをしに来たんだ!と思ったのは私だけではなかった。


人は死期を悟ると準備するのかも知れない。会っている方は普段と変わらないのに、逝く人だけはこれが最後だと思って臨んでいる。そう思うととても恐ろしいものを感じる。

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