思えばスコットランドの蒸留所には良く足を運んだ。Macallan、Talisker、Highland Park、Bell’s、Wild Grouse、Glenfiddich等々、日本の酒蔵も同じだが、その誕生の場所に立つと感慨も一入である。特にTaliskerやHighland Parkは自然環境が厳しい孤島にあり、そこで働く男たちの孤独と逞しさが伝わってきてウィスキーをより深い味わいにしてくれた。ところがアイラ島だけは、車で行けない事もあり未だ行った事がない。神秘的なスコッチウィスキーの聖地だけに、いつか行ってみたい場所の一つになっている。
その土屋さんの本を改めて読み返してみたが、特に冒頭のプロローグに触れるにつけその気持ちが強くなった。本ではウィスキーの味は、Pot Stillと呼ばれる蒸留器の形状や仕込み水の硬さ、蒸留回数などで微妙に変わるのをきめ細かく説明している。またウィスキーの纏わるスコットランドの歴史文化の薀蓄も面白い。迫害を受けて始めた密造がスコッチの原点だった事は知っていたが、第二次大戦で兵士に広まりアメリカ需要が増えた事は初耳だったり、ウィスキーを題材にした小説「ウィスキーガロア(Whisky Galore)〜ガロア語で沢山のウィスキーの意味」も面白そうなので早速アマゾンで取り寄せる事にした。一方悔しい思いをした箇所もあった。エジンバラには過去3度も行っておきながら、Whisky Heritage Centerやジキルとハイドのモデルの邸宅Brodie’s closeやパブLast dropなど知らないスポットも多かった。コロナで塞ぎ込む日が続くが、Kilchomanを契機にまた旅への希望が湧いて来た。
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