Thursday, 25 June 2020

ウィスキーガロア

一人10万円の給付金を申請したが、未だに入金されない。事務が追い付かないようだが、折角なので消費に貢献しよう!そう思って日頃飲めない高級ウィスキーを先買した。銘柄はアイラ(Islay)のシングルモルトKilchomanである。僅かに口に含んだだけで、アイラ特有の強いスモーキーの刺激が伝わって来た。早速どんな蒸留所かと、本棚にあった土屋守氏の「シングルモルトを愉しむ」(中公新書)を紐解いてみた。ところが名前が出て来ない。今度はウィペディアで調べてみると、創業が2005年と云うから新しい酒蔵だった。

思えばスコットランドの蒸留所には良く足を運んだ。MacallanTaliskerHighland ParkBell’sWild GrouseGlenfiddich等々、日本の酒蔵も同じだが、その誕生の場所に立つと感慨も一入である。特にTaliskerHighland Parkは自然環境が厳しい孤島にあり、そこで働く男たちの孤独と逞しさが伝わってきてウィスキーをより深い味わいにしてくれた。ところがアイラ島だけは、車で行けない事もあり未だ行った事がない。神秘的なスコッチウィスキーの聖地だけに、いつか行ってみたい場所の一つになっている。

その土屋さんの本を改めて読み返してみたが、特に冒頭のプロローグに触れるにつけその気持ちが強くなった。本ではウィスキーの味は、Pot Stillと呼ばれる蒸留器の形状や仕込み水の硬さ、蒸留回数などで微妙に変わるのをきめ細かく説明している。またウィスキーの纏わるスコットランドの歴史文化の薀蓄も面白い。迫害を受けて始めた密造がスコッチの原点だった事は知っていたが、第二次大戦で兵士に広まりアメリカ需要が増えた事は初耳だったり、ウィスキーを題材にした小説「ウィスキーガロア(Whisky Galore)〜ガロア語で沢山のウィスキーの意味」も面白そうなので早速アマゾンで取り寄せる事にした。一方悔しい思いをした箇所もあった。エジンバラには過去3度も行っておきながら、Whisky Heritage Centerやジキルとハイドのモデルの邸宅Brodie’s closeやパブLast dropなど知らないスポットも多かった。コロナで塞ぎ込む日が続くが、Kilchomanを契機にまた旅への希望が湧いて来た。

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