Monday, 22 June 2020

歌舞伎町のぼったくり

東京都で新型コロナ感染者が多く発生するのが夜の街、取り分け新宿歌舞伎町はその象徴である。テレビに映されるホストクラブやゲーバーを見るにつけ、改めて色々な人が居るものだと感心する。

その歌舞伎町だが、昔から怖いイメージがあって近寄らなかった。ただある時、海外でお世話になったMさんが帰国した際に、食事をした帰り道だった。後輩のS君も加わり、たまたま下車した新宿でどこかでもう一軒行こうと言う事になった。宛てもない中、気が付くと足は歌舞伎町に向いていた。ブラブラと店を探していると、若い男が声を掛けて来た。「1時間、一人5000円でどうです?可愛い子いますよ」と言うので、だったらばと着いて行った。店は階段で下りた地下で、店内はこじんまりしていた。水割りを2~3杯飲んだか、1時間が経とうとしたので席を立った。出口で勘定を払おうとすると10何万円と言われた。話が違うと言っても呼び込みの男はもういない。「これはぼったくりだ!」とすったもんだしていると、怖いお兄さん達が階段を下りてきて退路を塞がれた。結局いくら払ったか忘れてしまったが、財布の中の全財産を取られて解放された。帰り際、男の一人が「カネが無ければ帰れないだろう」と1,000円を返してくれた。怖かったこともあり、つい「有難うございました!」が口から出てしまった。ヤクザのアメとムチだった。

その日はたまたま銀行で万札を何枚か下ろし懐が温かった。普段持ち慣れないカネで気が大きくなったのかも知れない。以来歌舞伎町には行っていないが、コロナであの苦い一夜を思い出した。

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