コロナコロナでウンザリする毎日、今日は遂に7都県で緊急事態宣言が出された。欧米に比べて爆発がまだ起きていない日本だが、今後どうなっていくのだろう。そんな事を尻目に、桜が散り始めた。今年の開花が早かっただけに、よく持ち堪えたと思う。桜は咲き始めもワクワクするが、やはり散り際が美しい。刹那的で日本人のセンチメンタルに合うのだろうか?「散る桜、残る桜も散る桜」のフレーズを思い出す。
そんな桜を見ていたら、大学2年になろうとする2月に、入試の電報屋をやった事を思い出した。クラブの先輩2人と入試の日に店を出した。店の名前は「登龍会」である。景気付けに登り龍をイメージした。男ばかりだと警戒されると思い、可愛い女子学生に頼んで受付を任せた。部室から机を運び出し、自宅で作った合格電報の札を出した。これから受験場に向かう学生に「合格電報如何ですか?」と声を掛けると、続々お客が舞い込んだ。受験生は氏名と住所を書き、いくらだったか忘れたが、電報代を置いて行った。中には中学校時代の同級生も居た。お互い久々に会ってびっくりしたが、相手はこれから本番に臨む人生の大一番だった。とても旧交を温めている場合ではなかった。その日は仲間4人で分け前をきっちり四等分し散会した。
そして合格発表の日が来た。掲示板で何度も番号を確認し、駄目だった人には「桜散る」の電報を打った。それも確認したのは私一人だったから、今から思えば信じられない事である。見も知らずの学生に人生の岐路を委ねる方もそうだが、もし見間違っていたらその人の人生を左右しかねない。今から思うとゾッとするが、当時はそんな時代だった。
No comments:
Post a Comment