毎日聞かされるコロナウィルスのニュースには、段々鈍感になってきた。イタリアの死者が中国を上回り5千人近くになってきたとか、アメリカが入国制限を掛けたとか、もう何が起きても驚かない。ただ、武漢では感染者が一人も出なくなったとか、中国では収束が始まっているとか聞くと、流石に本当かな?と思ってしまう。特に昨日は香港紙が、「中国政府が、感染者でも無症状の陽性者43,000人をカウントしていなかった!」と暴露すると、「やっぱり中国はね・・・?」と色々な事が蘇る。
思い出すのは、あの文化大革命である。近代化を急いだ中国共産党は、火力の発電事業に注力した。具体的には、大量の資源と地方農民を発電所に送り込んだ。その結果、農業生産はガタ落ちして全国で飢饉が起き、一説には40百万人が餓死したと言われている。今回も、統計上は感染者がゼロになっているかも知れないが、知らない処で別の病名にすり替えられている可能性が想像を打にしない。
山崎豊子の「大地の子」でも、主人公の陸一心がその地方の発電所に送り込まれた。それは人里離れた僻地で、そこで働く人は言わば島流しにあった境遇を共にする人達だった。それを称して陸一心は、「化石のような人々」と言っていた。言われてみれば、周囲にも(化石のように)表情がない人が居たので、山崎豊子さんの表現力に感心した記憶がある。ともあれ、建前とメンツが先行するお国柄、また多くの犠牲者を生みかねない事態を心配している。
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