ミシュランガイド2020が出て、永年3つ星だったポール・ボキューズ(Paul Bocuse)が降格され話題になっている。有名な老舗だったが、やはりシェフが亡くなってオーラが消えてしまったのだろうか?最近ではすっかりグルメの世界とはご無沙汰しているが、そう言えば90年代に3つ星だったあのレストランはどうしているのだろう?そう思って調べてみたら、ニューオータニにも出店しているTour D`Argentや、アサヒビールが買収したLuca Carlton、恵比寿にロブションと組んで6星レストランとして話題になったTailleventは、皆1つ星になっていた。栄華盛衰、驕る平家久しからず、今回のPaul Bocuseもそんな時代の変遷なのかも知れない。
かつてそのPaul Bocuse氏も、「食とセックスは似ている」言っていたのを読んだ事がある。つまりどちらも魅力的でないと長続きしないという意味だ。確かに新たに星が付いたレストランや、給仕がキリっとしている店は、活気があり魅力的(Sexy)である。チュエルリー公園の先にあるLedoyenや、屋根が開いて新鮮な空気が流れ込む一軒家の Le Pré Catelanなど、昔の2つ星が今では3つ星になっているたのには頷けた。そんな中、Guy Savoy やL`Amboiseは昔から3つ星を維持しているから立派だ。
パリはグルメが文化の一つになっている。正装してレストランに出向く時は気合が入る。作る方も懸命だ。実際に星が降格されて本当に命を絶ったシェフもいたし、ピカピカに磨かれたフォークやグラスを見ていると、オーナーの真剣さが伝わってくる。最近ではすっかり居酒屋の人になって、ミシュランの世界は遠い過去である。ただこうしてパリの1つ星レストラン75軒の内、10軒は日本人シェフの店だったり、日本の星付きは230軒でフランスの118軒を凌駕している話を聞くと、まだまだ頑張っている人達がいる事が分かり勇気付けられた。「たまにはグルメを楽しまないと!」、そんな気持ちになってきた。
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