Wednesday, 27 November 2019

バチカンとカネ

バチカンの教皇フランシスコ教皇が来日した。長崎、広島と廻り、東京では東京ドームで5万人のミサを行ったと報じられた。青年との集いでは、文京区の東京聖マリア大聖堂が使われた。丹下健三が建築したコンクリートむき出しの教会で、昔近くに住んでいた事もあり懐かしかった。建つ前は子供達が遊ぶ野球場だった。当時は遊び場がなくなり寂しかったが、その斬新な建物を見て将来は建築家になりたいと思った。特に教会の横に立っている鐘楼は、下から見ると捻ったカーブ状になっており、その奇抜なフォルムに魅かれた。

キリスト信者は世界の13億人もいると言う。6人に1人の割合だから大変な組織である。その最高指導者だから、信者が涙するのも分かる気がした。ただ核廃絶を祈る一方で、核を作り管理しているのもキリスト信者だから複雑だ。特にバチカンに纏わるマネーロンダリングや幼児虐待など、汚職の話は尽きない。カルビ事件ではマフィアも登場し、巨大なバチカンマネーの運用が明るみになった。

そのバチカンの闇を題材にしているのが、ダ・ビンチコードで有名なダン・ブラウン(Dan Brown)の作品である。良く身の安全が保たれていると心配になってしまうが、読む方は面白い。「天使と悪魔(Angels & Demons)」では、教皇選出のコンクラーベが出て来た。密室の儀式が開示され、次期教皇の座を狙う神父が本命を殺害し、自作自演で危機を演出する信じられないストーリーたった。フリーメイソンやイルミナティなど、謎に包まれた秘密結社も出て来るし、信者はこれを見て疑心暗鬼にならないのだろうか?と不思議になる。神聖な祈りの裏で、バチカンを支えるのはやはり巨大なカネである。1人1円集めても16億円、1000円なら1兆6000億円だ。今回も4日間の滞在でいくら集まったのだろうか?と、ついそっちの方が気になってしまう・・・。

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