Friday, 22 November 2019

ジョン・ウェンの名画

名画は何度見ても飽きない。中でもジョン・ウェンの「黄色いリボン(She Wore A Yellow Ribbon)」は、往年の作品だが見る度に面白く感じる。映画は退役を間近にした騎兵隊の大尉の物語である。映画のタイトルにもなっている有名なテーマソングが勇ましく、騎兵隊とインディアンの対峙が西部劇の絵になっている。大尉は最後のパトロールを終え、部隊から退職の記念品を貰いカルフォルニアに向かう。しかし元部下が追ってきて、大統領から復職する命が下り中佐に昇進したと知る。一度は終わった人生がまた繋がる辺りは、サラリーマンなら誰しも理想とする件であった。

作品は部隊長の姪が、次期大尉の見合い相手としてやって来る処から始まる。相手の中尉の家柄は良さそうだし、二人はお似合いである。姪の教育の為に、危険なパトロールに同行させる辺りは、アメリカ社会でも昔は粋な計らいがあった。時代は南北戦争が終わり、カスター将軍の第七騎兵隊が全滅した頃だった。力を付ける騎兵隊と追い詰められるインディアンがそれを物語っている。

今から10年ほど前だったか、テキサス州を車で廻った事があった。州と言っても日本の面積と同じ広さなので、10日間で3000Kmも走った。都市から一歩出ると映画に出て来る荒野が続いた。ダラスフォートワースを始め、町の名前には「砦」を意味するFortが沢山残っていたり、中継点にポツンと佇む雑貨店やスペイン語メニューのレストランなど、今でも当時の面影が残っていた。映画でも、最後に「この騎兵隊がアメリカ陸軍になって行った」と言っていた。そんなテキサスを思い出すと、この映画がよりリアルになる。

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