Monday, 2 September 2019

無名の頃の獺祭

最近、久々に獺祭を飲んでみた。やはり旨い!少々高いが、相変わらず何とも言えないコクと品がある酒である。その獺祭だが、今でこそ有名になって中々手に入らない噂も聞くが、無名の時代もあった。

始めて獺祭を知ったのは、新橋駅前ビルの地下にあるNという居酒屋である。今から20年ほど前になるか、取引先の人に連れて行ってもらった。居酒屋といってもツマミは殆どなく、ただ竹筒に冷やした酒だけを嗜む、素朴な店だった。置いてある酒は、獺祭の他、竜馬が愛した五橋など山口県の4銘柄に限っていた。酒好きの主人が選び抜いたと自慢していた。獺祭と言う珍しい名前の由来を聞くと、ラッコに似た動物だという。山口県人会の溜まり場にもなっているらしく、安倍3兄弟が立ち寄った写真がさり気なく飾ってあった。

それから暫くして、獺祭は突然有名になった。醸造アルコールを使わない品質管理の賜物というが、素人には良く分からない。旨いものは旨い!ところがある時そのNに行くと、もはや獺祭は置いていなかった。何やら有名になり過ぎて、手に入らなくなったという。主人の寂しそうな顔もそうだが、店も心持ち人気がなかったのが気になった。アンテナ店みたいな老舗だったので、何とかならなかったのだろうか?最近は明日の獺祭を探している。気になっているのは、須坂市の遠藤酒造である。信州の酒の評判は今一だが、ここの酒は値段の割に旨い。有名になって飲めなくな前に楽しんでいる。

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