G7がフランスのビアリッツ(Biarritz)で披かれている。トランプ大統領が開催意義を懸念し、共同声明は出さない異例の会議になっている。確かにちょっと前にはG20が披かれたばかりだし、形骸化しているのかも知れない。それにしても今回の開催場所のビアリッツ、今頃さぞかし綺麗だろうな!と旅に思いを馳せた。
ビアリッツはフランスのバスク(Basque)地方の都市である。バスクはスペインとフランスを跨ぐ歪な地方である。その地理的な特殊性から昔から独立の機運が高く、パリなどの都市でも爆破テロが頻繁している。バスク地方の北は、あの三銃士で有名なガスコーニュ(Gascogne)地方である。ボルドーやコニャック、アルマニャックなど、ワインやブランディーの産地でとてもフランス的な地域だ。それに比べてバスク地方は内陸に行くと緑が少なく、スペイン的な感じがする。海岸線も、ビアリッツからスペインのサン・セバスチャンに続く辺りは砂浜が多く、山が切り込んで石ころばかりのコートダジュールや、湿度の高いコスタデルソールとは趣が大分異なる。カラッとした大西洋の強い日差しに、黒っぽく歴史を感じさせる石の街並みが映えている。この時期ビーチの女性は殆どトップレスで、それがまた田舎ぽくていい。
内陸に入ると、スペインとの国境のピレネー山脈に出る。車を置き、ロバの馬車で揺られる事30分で、氷河を湛えた絶壁の麓に出る。あのナポレオンのピレネー越えに思いを馳せ、さぞかし難所だったと想像する。ピレネーから更に東に行くと、巡礼の聖地ルルド(Lourdes)の町がある。猛暑のこの時期、世界からの巡礼者が奇跡の泉を求めてやって来る。暑さでよくも倒れないかの心配を余所に、黙々と行進する姿は信仰の深さから来るものなのか?ここまで来るとまたフランス的になる。
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