香港が荒れている。中国本土への身柄引き渡しを認める「逃亡犯条例(Extraction Bill)」を巡り、多くの市民の抗議活動は、遂に議会突入まで発展するなど段々エスカレートしている。人々の気持ちはよく分かる。折角大陸から逃げて来たのに、また連れ戻されるのは敵わない。多分その感覚は、世代を超えたDNAで引き継がれている気がする。
多くの香港人は英国領時代にやってきた。ファーストネームを英語に代え、共通言語も英語にして本土との差別化を意識した。ただ97年の返還で又元の木阿弥になってしまった。それでも「一国二制度」があったので人々は住み続けた。お金のある人はカナダやアメリカなどに子供を留学させ移住の準備を進めたが、やはり仕事が無いのだろうか?また戻ってきた人が多いと聞く。ただいざとなれば、世界の主要な都市には必ずと言っていい程あるチャイナタウンが待っている。大都市だけかと思っていたら、最近ではポーランドの田舎の雑貨屋やオーストラリアのド田舎の中華料理屋でも中国人を見かけるから、世界のこんな処?と思う場所にも住む強かさがある。尤もナポレオンが流されたセントヘレナ島でも、彼の世話をしたのが中国人だったというから、今に始まる事ではないのかも知れない。
香港の問題は所詮は中国内部の話である。厳しいようだが、香港の現状を変えられるのはやはり香港人しかいない。元々一国二制度なんて詭弁だ。その気概が無ければ出て行くしかないだろう。何も狭い香港島で籠城する事もない、行く先は先人の足跡を辿れば無限に用意されている。
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