Thursday, 2 May 2019

明治に始まる天皇制

平成が終わり令和の時代になった。新天皇の即位とそれに歓喜する国民の姿をテレビで見ていると、新しい日本の到来が伝わってくる。普段は疎遠な皇室だが、こういう時に改めて日本人の心を一つにする力を感じる。それにしても、前回の大喪の儀では、政府から喪に服す大号令が出て戸惑った場面も多かったが、今回は晴れ晴れしていていい。やはり世代の交代は元気な内にバトンタッチするに限る。

改めて、天皇とは何か?日本史に至っては知らない事も多いが、一方で発見もある。何年か前に京都に行った時だった。三条大橋の麓に、高山彦九郎という侍が土下座する像があった。皇居に向かって伏し拝んでいて、忠心の鏡みたいな人だった。良く見るとその侍は1700年代の人なのに、建立は1928年だった。意外と新しいと思っていると、次に寄った平安神宮も1895年建立と若かった。日清戦争の頃なので、ひょっとしてどちらも戦意高揚の為に作ったのだろうか?そんな事が頭を過った。それから琵琶湖に足を延ばし、たまたま寄ったのが近江神宮だった。立派な境内の奥に社屋が聳えていたが、これはもっと最近で1940年の建立だった。正に太平洋戦争が始まる直前であった。平安神宮は明治天皇の父孝明天皇を、近江神宮は38代の天智天皇を祀っていた。

調べてみると、同じように天皇を祀る橿原神宮は1890年、白峰神宮も1868年とやはり新しい。何となく、今の天皇制の原形は明治時代のようだ。しかしこれからも上手く維持出来るかどうか?特にネット社会の隠し事が通用しない時代だから猶更である。他国はもっと深刻である。英国の次期王妃は元愛人だし、タイではプレーボーイが国王になり共に人心が離れている。そんな王室の制度疲労もあり、その中で高貴で潔白な象徴が保てるか?令和は結構波乱の時代になるかも知れない。

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