今朝のニュースで、パリのノートルダム寺院が火災に遭ったと知った。パリを代表する歴史的な建造物だけに、喪失のショックは如何なものだろう。ノートルダムは、パリ発祥の地であるシテ島に位置し、1000年以上の歴史がある。ナポレオンの戴冠式など歴史的な舞台になったが、記憶に新しいのは、第二次大戦のパリ解放である。先を競う連合軍がまず目指したのは、そのノートルダム寺院であった。ルクレール率いるフランス軍の戦車が到着し、解放の鐘を鳴らした話は昨日のようなである。
それにしても、石で出来た建造物とは言え、一度火が付くと簡単に燃え広がるものである。思い出したのは、ケン・フォーレットの長編小説「大聖堂(原題:The Pillars Of The Earth)」であった。小説は崩れ落ちた寺院を再建する石職人の物語である。ただ火事は放火で、聖堂の中で火を炊くと煙突状態になる事を知った。火事を契機に主人公の新たな物語が始まった。ケン・フォーレットは、JackdawsやHornet Flight、またThe Key To Rebeccaなど、第二次大戦を舞台にしたイギリス情報機関の小説が面白く、永年のファンの一人である。ただその「大聖堂」は余りに長く、また余り馴染みのない英国の中世を舞台にしている為、途中で飽きてしまった記憶がある。
ともあれ全焼は免れたようで何よりだ。ヨーロッパの町はどこも再建の塊で、パリは昔のまま残っている稀有な町である。人々は先の二回の大戦で、破壊されては元通りにしてきた。そのエネルギーが凄いから、きっと明日から立ち上がるだろう。
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