旅には失敗が付き物だ。今回もその例外でなく、ハラハラ、ドキドキする連続だった。まず成田でチェックインしようとすると、「ITASのビザがありますか?」と聞かれた。その時初めてオーストラリアにはビザが要る事を知った。もう旅行も駄目かと思ったが、まだ出発まで2時間近くあったので、駄目もとでiPhoneで申請してみた。すると暫くして返事があり許可が下りた。出発まで1時間を切っていたので奇跡的だった。最終搭乗者で機内に入った時は、流石ホッとした。
次はレンタカーである。Jet Starの紹介するレンタカー屋は、1日1600円と安かった。日本で借りると6000円位だから1/4である。空港で借りて返すので荷物を持って歩き回る事も無い。今回もそうかと思っていたところ、空港には申し込んだSIXTのカウンターがない。AVISの人に聞くと、「SIXTはシャトルバスで行かないと・・・」と云う。散々迷った挙句、やっとそのバス停が分かり、辿り着いた先は、空港から数キロの工場団地だった。用意された車もHyundaiの小型車で、ブレーキの利きも悪く、車内の換気も酷かった。何より走ってみると、パワステがないので80Kmが限界だった。殆どの一般道が100Km制限なので、後ろから煽られるようで怖かった。安いというのにはワケがある事を疑って見るべきだった。韓国のHyundaiは一流会社とか聞くが車は三流だった。もう懲り懲りだ。
ホテルはいつも気ままに、陽が暮れると飛び込むスタイルだ。なまじ予約しておくと、知らない土地柄、時間に縛られていいことはない。今回もそう思ってぶらっと入ると、結構高い事が分かった。モーテルでも最低1万円もする。ところがBooking.comで探すと安いホテルも出て来るので、今回は途中からそのスタイルに切り替えた。ところがシドニーから南に100km程の、ウロンゴン(Wollongong)に泊まった時だった。着いてみるとそこは工場地帯のど真ん中で、ホテルの1階は大きなバーになっていた。鉄鋼の町らしく、飲んでいる人々も何か荒々しく感じた。勿論レストランも近くに無く、夜はトルコ人のやっているケバブを買って済ませた。ともあれ、観光とは程遠い奮起だったが、終わってみれば旅の思い出の一部になる。
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