欧州でユダヤ人の排除が過熱しているという。一連の移民排斥の流れだろうが、フランスでは墓地に鍵十字が塗られたり、ドイツでも反ユダヤ主義的な暴力が急増しているという。特にフランスはアメリカ、イスラエルに次いでユダヤ人が多い国だから深刻な気がする。それに、時あたかもEU崩壊の危機の最中である。暫く前に高原剛一郎という学者が、面白い事を言っていた事を思い出した。それは、世界史の栄枯盛衰はユダヤ人と共にあるという説である。ポルトガル、オランダ、スペイン、英国などの列国は、ユダヤ人を受け入れると国が栄え、追い出すと衰退したという。確かに貿易とカネの流れは、ユダヤ人の活躍機会と比例するから理に叶っている気もした。
先日オーストラリアに行った際に、シドニーのユダヤ人博物館を訪れた。オーストラリアに住むユダ人は10万人程度なので、人口の1%にも満たない数である。それにも拘わらず、立派な施設に有史以来のユダヤ人の歴史を綴っていた。特にホロコーストには多くのスペースを割いていた。それにしても何故こんな処にこんな施設を作るのだろう?係りに人に聞いてみたが明快な答えは聞けなかった。ただオーストラリアは白豪主義で人種の排他を国是にしている国だから、それに備えているのかも知れない。因みにこの国では少しづつ増えている。
随分前になるが、ロンドンに行く飛行機で隣り合わせた女性がいた。聞くとイスラエルに住んでいるという。たまたま帰りの飛行機も隣になり、長い時間に渡り、如何にキブツの生活が素晴らしいかを聞かされた。「一度いらっしゃい!」と言われ連絡先も貰ったが、何故かあまり気が進まなかった。生活は制約されるがイスラエルに住むのか、あるいは差別を受けても国外を選ぶのか?永遠に続く選択なのだろう。
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