華やかだな!そんな気分に浸れるウィーンフィルのニューイヤーコンサートであった。勿論テレビを通じて見る世界だが、観客も正装し襟を正して聴いている。場所柄、外交官の人が多いのだろうか?皆さんとても立派に見える。どこかで見た顔だと思ったら、国連の藩前事務総長もいた。演奏が終わり、中谷美紀さんがキュッヒルさんというバイオリニストに講評を賜っていた。キュッヒルさんの横には日本人の夫人が通訳をしていた。そう言えば、中谷さんのご主人もドイツ人のヴィオラ奏者とか。芸術家は国際結婚する人が多いと聞くが本当だ。
演奏会の最後は、恒例の「青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」だった。指揮者のティレーマンさんの演出が素晴らしく、聴衆の手拍子を上手く引き出し一体感を醸し出していた。そのラデツキー行進曲(Radetzky March)のラデツキーは、オーストラリアの軍人である。中欧からバルカンを旅した関係で、ハプスブルグ帝国には親近感を持っているが、彼は最後の皇帝フランツ・ヨーゼフを若い頃預かった将軍として出て来る。曲は1813年のナポレオン戦争に勝利した時の功績を称えて作られた。日本で言えば、東郷行進曲、乃木マーチと言った処だろうか?今でもオーストリアの人々に愛されているのは、嘗てのオーストリアの絶頂期を懐かしんでいるのかも知れない。
ところで会場になったウイーンの学友協会だが、今から30年ほど前にカール・ベーム指揮のウイーンフィルでブラームスを聴いたことがある。今から思うと夢のようだ。どうしてそんな演奏会に行けたのか、もう覚えていないが、たまたま旅先で運良く切符を手に入れる事が出来た。ホールの椅子が木製で小さく、長く座っているとお尻が痛くなった記憶がある。
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