秋田の”なまはげ”が、UNESCOの世界遺産に登録された。3年前に、秋田の大学に勤める友人を訪ねて冬の秋田を訪れ、彼と一緒に男鹿半島のなまはげ柴灯祭りを見た事を思い出した。市内から車で1時間弱、氷点下の中、会場の神社に着くと、沢山の観光客が集まっていた。驚くことに、その多くはオーストラリアなどから来た外国人であった。寒い中、はるばるこんな処まで来る気が知れなかったが、こうして正式に世界遺産になると、更に観光客が増えるのだろう。
ただ、世界遺産で観光客を呼び込もうと考えるのは、日本の特色かも知れない。それは海外で箔を付けて凱旋すると名を上げる島国の宿命なのか、将又UNESCOの拠出金NO1の見返りなのか?そう言えば、高尾山もミシュランの3つ星スポットになったのを切っ掛けに登山者が急増したり、江戸時代の浮世絵も、それまでは包装紙だったのが、外国人が持ち帰ってから価値が認識された。日本人は、いつも外から教えられて初めて自身を知る稀有な民族だ。
一方、ヨーロッパの世界遺産はひっそりしているイメージがある。今年、スロバキアの山越えをしていると、名も無い村でUNESCO World Heritageの看板が目に入った。折角なので寄ってみると、それは16世紀の木造教会だった。辺りには誰もいないし、「これが世界遺産!?」と疑った。ガランとした教会を出ようとすると、どこから出て来たのだろうか、突然女性の係り員に呼び止められ1ユーロを取られた。マルタ島の地下憤墓もそうだった。入り口の小さなプレートに、申し訳なさそうにUNESCO World Heritageと書かれていて初めて気が付いた。だったら入ってみようかと、小さな穴を潜ると、洞窟をくり抜いた祭壇があった。紀元前2500年と聞いて、そのさり気なさにビックリした記憶がある。
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