旅はチェコのプラハから始まった。旅はまず身だしなみから、そう思いホテル近くの床屋に入った。朝8時過ぎだと言うのに、もうお客さんが来ていた。待つ事10分、順番が廻ってきた。気の良さそうなおばさんで、仕事をしている時にしばしば携帯電話で良く話してる。どうやら子供からの電話のようで、鏡の周りは家族の写真が一杯貼ってあった。
言葉は勿論通じない、でもどんな仕上がりになるのだろう?普通ならそんな心配をする。しかし何度か現地の床屋に行っている内に、何を言っても無駄だと分かってきた。男ならどこでも短く刈るのが普通だからである。それは頭が小さいせいか、将又寒い冬に帽子を被らなくてはならないせいか、よく分からないが、兎に角誰も決まった髪型になる。ふと思ったのは日本の床屋である。どちらかと言うと髪をふんわり多く見せようと髪を残そうとする。日本人の頭デッカチの体型もあろうが、それはチョンマゲ時代の名残ではないか?とふと思えて来た。
チョッキンチョッキンと刈る事20分、あっという間に終わり、料金は1千円だった。案の定、スポーツ刈りみたいになった。帰ろうとすると、「これ見て!」とある本を渡された。それは何と日本語の本で、以前ここに来た日本人が出版した「世界の理髪店」という本だった。本の中でその店も紹介されていた。チェコの理髪師の9割は女性らしく、家族的な雰囲気だという。
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