ポーランドの北西部の町トルン(Trun)に、コペルニクス(Nicolaus Copernicus)の生家があると言うの寄ってみた。昔はプロイセン王国として栄えた美しい町で、今では世界遺産になっていた。例によってカラフルな街並みで、中央の広場には彼の銅像が建っていた。その生家は広場からちょっと入った所にあり、木造の階段や当時の生活品が残されていて、とても500年以上前のものとは思えなかった。
コペルニクスは司祭であり、その町の市長でもあった。「公の立場でありながら、よく地動説を唱えられたな?」と思うが、どうやらその影響に配慮して、生前の公表は控えめに留めていたようだ。だから最近、日本で「君たちはどう生きるか」の復古版が出ていて、「主人公のコペル君は時代に立ち向かう勇気ある人」、と紹介されているのは、大きな間違いだと分かった。また彼は経済学者でもあったようだ。例の「悪貨は良貨を駆逐する」のグレシャムの法則の発見者だそうだ。お金に関心があったのは、町が栄えていたからだろう。プロイセンはハンザ同盟の町だったから、バルト海貿易で潤った!立派な中世の建物の一角でビールを飲みながら、そんな思いに馳せた。
ガイドブックには、ショパンがこの町を訪れ、ジンジャーブレッドを好んだと書いてあった。確かにお菓子屋が沢山あり、それも立派な店構えで、昔から延々と栄えている雰囲気だった。折角なので一つ買って食べてみた。どちらかというと、柔らかいクッキーという感じだった。その晩はyoutubeでショパンを聴き、すっかりポーランドの中世に浸ったのであった。
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