鷲の巣の次は、「狼の砦」ことヴォルフツシャンツェ(Wolfschanze)である。1941年に東部戦線の前線司令部として完成した一大拠点である。現在はポーランドの東北部、ソ連国境まで80kmの地点にある。広大な森は千代田区並みの広さで、近くに飛行場と湖がある。車で辿り着くのも大変で、GPSで言われるままに通った道は、殆ど一車線の山道でとても難儀した。
昼過ぎに着くと、既に多くの観光客が居た。中には学習の子供の一行もいた。チケットを買って森に入ると、壊されたコンクリーのブンカーが点在していた。渡された地図と照らし合わせると、ヒットラー始めゲーリング、ボルマンなどの専用ブンカー、喫茶、カジノ、ホテル、タイプなどもあった。特にヒットラー用は壁の厚さが8mと際立っていた。それらは、1945年1月にソ連軍が来る2日前に破壊されたと言う。出来ればそのまま残して欲しかった!そんな気分になった。
ここで有名なのは、シュタウフェンベルグ大佐によるヒットラー暗殺未遂事件であった。ワルキューレ作戦と称し、トム・クルーズ主演の映画にもなっているので、一部始終は今でも克明に再現されている。ただ計画は失敗した。その報復で関係者5000名が処刑されたが、皮肉にもそれが軍の弱体化にも繋がった。事件の建物は壊されていたが、その場所に碑が残されていた。戦後、彼の息子などが追悼式に訪れたパネルも近くにあった。ヒットラーはここに900日も滞在したという!改めて、戦争は緻密に遂行された事に感心した。
No comments:
Post a Comment