1942年末期、ドイツはソ連のスターリングラードでの劣勢を強いられていた。そんな頃、Eagle Nestが考えたのは、巨大な地下要塞であった。ポーランドの西に連なるオウル(Owl)山脈の地下に、鉄道、戦車などを格納する全長30kmの通路である。その名もRiese(Giant)計画と称し、設計は建設相のシュペア(Speer)が担当した。作業は近くのグロス・ローゼン収容所から2万人が従事した。しかし工事はその後のソ連軍の進撃で放棄された。地下要塞が何の為に作られたのか?未だにそれは謎とされているが、化学兵器、ロケット、原子力発電などの格納と言われている。
そのオスフカ(Osówka)と呼ばれる地下壕が、チェコ国境から少し入った所にあると言うので行ってみた。場所はド田舎だが、今ではGPSがあるので容易に行ける・・・そう思っていたが、途中でそのGPSも機能しなくなり道に迷った。気が付くと同じような車が立ち往生していた。結局誰かが先導して何とか辿り着くことが出来たが、行くと結構多くの訪問者がいた。1時間のツアーに参加し坑道内を歩いた。夏だと言うのに中は肌寒く、置き去りにされた工具を見ると、70年前の時間が止まったような感じだった。ツアーはポーランド人向けだったので、言葉が分からず残念だったが。
思い出したのは、何年か前に行った松代の大本営跡である。太平洋戦争末期に、皇族始め、軍の中枢機能を移転させるために作った地下要塞である。どちらも今となってみれば狂気としか見えないが、洋の東西を問わず、戦争を継続する前提だと、この発想が生まれるようだ。松代も営業努力すれば、もっと観光客を集められる。
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