Thursday, 2 August 2018

夏山Joy!

昔、ある人のお別れ会に行った事がある。山岳界では有名な方だったので、ホテルで披かれた会は盛大だった。挨拶をしたのは一橋大学の山岳部仲間だった。その人が言うには、大学の山仲間は大町に山荘を持ち、そこを起点に活動するという。天気がいいとパッと支度して登るらしい。亡くなった方も、そこから所謂裏銀座と言われる野口五郎岳や水晶岳に登っていたようだ。そんな登り方に憧れた訳では無いが、思った時に行けるのは気楽でいい。

いつも行先は長野の黒斑山(2404M)である。車で標高2000Mの高峰高原まで一気に登り、そこから歩く事1時間ちょっとでトオミの頭に着く。浅間山の外輪でカルデラの緑が素晴らしい。それはまるでグランドキャニオンに緑の芝を張り巡らしたようである。晴れていると、目の前に聳える浅間山から延びた稜線が、まるで手が届く様な近さに見える。眼下には観測用の山小屋が見えるが、それは浅間山荘から登るルートの経過点である。いつぞやその山小屋から見上げた黒斑山は、妙義山に似て険しかった。トウミの頭から、遥か遠くには佐久の町や高速道路のパノラマが見える。そこで持ってきたお握りを食べて暫し涼を取る。驚くのは。いつ行っても人が多い事だ。日本人は山好きな国民というが、さして有名でもないこんな処に、こんなに沢山の人が来るもんだと感心してしまう。そこから山頂までは直ぐだが、トオミの頭からの景色で十分なので、いつもそこで引き返す。

下りは登りの半分の時間で済む。ピクニック気分の山歩きだが、やはり駐車場の下界に降りて来るとホッとする。終わってから近くの「ランプの湯」に浸かり帰る。高峰高原ホテルの湯は透明だが、そこの白濁色の湯が柔らかいので気に入っている。往復に1時間、登山と温泉で3時間のカミカゼ登山である。帰って味わうビールはまた格別だ。適度な疲労と温泉に入った後の安ど感、充実した一日に感謝する。雑誌の名前にもあったが、正に夏山Joy!である。

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