Thursday, 12 April 2018

Who Rules The World?

昔海外に住んでいた時、駐在員の間では、旅行ガイドブックは日本のものが一番だという意見で一致した。ミシュランやロネリープラネットなど蒼々たる本は現地にあったし、今ではネットナビで事が欠かない時代である。ところが、日本人にはごちゃごちゃと適度に日本風に味付けされたものが一番しっくり来るのであった。そうでないと何か物足りない。それは日本人の世界観と似ている。

最近、ニューヨークタイムズのベストセラーになっているノーム・チョムスキー著「Who Rules The World(誰が世界を支配しているのか?)」はそれとは反対の典型であった。仲間の何人かで読んで感想を交換し合ったが、誰もが「さっぱり分からないな!」という結果になった。中には謙虚に「俺は頭が悪いからな・・・」と謙遜していた御仁もいたが、タイトルの答えも沙流事ながら、一体著者が何が言いたいのか、最後まで理解出来なかった。これがアメリカでベストセラーというから、改めて言葉以前に隔たる文化の障壁は大きい事を実感した。

これも今から10年以上前になるか、タイのプーケットで会議に参加した時だった。各国から参加した人達と数日寝起きを共にし、泳いだり観光も楽しんだ。特に仲良くなったのはドイツ人のKさんだった。Kさんは写真が趣味でその時もよく撮っていた。ところが帰国してドイツから届いた写真集を見て驚いた。それは被写体をアップした手法で、私の見たプーケットと全く違う世界だった。一緒にいてこんなに見ていた物が違ったのか!その時のショックは大きかった。世界は狭くなったようで、まだまだ遠い。

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