ベストセラーになっている「FIRE and FURY(炎と怒り)」を読んでいる。トランプ政権の内幕を暴露しただけあって、中々のリアルで凄い本である。補佐官のバロン氏がこれで失脚したと聞いていたが、読んでみるとトランプ大統領の私生活をチクったようだった。仕えて一年も経たない内から、忠誠心に魔が差したのだろうか?氏の人生も紹介されていたが、これなら仕方ない人だった!と思える件だった。
それにしても前代未聞の大統領の出現である。今日も中国が鉄鋼、アルミの関税に対し報復措置を発表した。云わば貿易戦争だが、世界経済の枠組みを壊そうとしている。将棋ではないが、先の先を読めば(互いに疲弊し勝者がない消耗戦が見えるから)手控えるのが定石だ。それでもメキシコの壁や移民制限など、どんどんその歩を打ってくる。本でもその辺の裏側は面白可笑しく紹介されているが、殆どが思い付きの打ち出しだから滅茶苦茶だ。ただそれが現実だから無視できないのである。
読んでいて、戦後の冷戦を含め平和が続いた時代の終わりなのかな?と思えて来る。それは綺麗ごとの外交の限界なのかも知れない。人間はもっと原始的で、動物のように弱肉強食に生きていたのが歴史である。それが戦後はサロン的になり、美辞麗句でお互い距離を保ちながら遠慮して共存してきた。そのツケが廻って来たのかも知れない。ともあれ、これは今風に考えればWin Winとは反対のゼロサムゲームである。毎日がトランプ劇場で、マジノ線ならぬ一進一退が続いて行く。暫くはそれと付き合わなてはならない。
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