冬季オリンピックも閉幕した。日本人選手が大活躍して盛り上がった2週間だった。特に羽入選手の時には多くの仲間がTVの前に集まった。一緒に観戦すると又格別で、演技が終わると貰い涙してしまった。そんな中で渡部選手に刺激された訳ではないが、久々にクロスカントリースキーをやってみたくなった。
クロスカントリースキーは、数年前バルト海に住んでいた頃の土産である。冬の寒い中、どうしても運動不足になってしまうが、唯一体を動かせるのが町の体育館だ。ただそこは陸上、テニス、バスケなど、多くの人が集まるので狭い室内は危険と隣り合わせだった。周囲を走っていると横から砲丸が転がって来るし、ジョギングしていると短距離走の選手と接触する。そんな時は、やはり思い切って郊外に出るに限ると思い、始めたのがクロスカントリースキーだった。マイナス10度の中、バスを乗り継ぎ郊外のコースに行き、レンタルのスキーを借りた。ダウンヒルと違い、スキー板の幅が狭いのでバランスを取るのが難しい。地面が平らなので、漕がないと直ぐ止まってしまう。単調で決して楽しいスポーツではなかった。
今回久々に挑戦してみたが、その印象は昔と同じだった。行ったのは日光の戦場ヶ原、5㎞程の人も疎らなコースを歩いた。自身の滑る音だけが響く静かな世界だった。終わって近くの温泉に浸かると、こちらも水の流れる音だけが聞こえてくる静けさだった。改めて北欧の国ならいざ知らず、誘惑の多い日本で、それを極める人の孤独を思ったりもした。雑踏から逃げて来たのに、誰も居ない自然の中は不安になってしまう。
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