Wednesday, 14 February 2018

スイスのマーティン

先日、駅前で現役の自衛官が制服姿で何かを配っていた。気になったのでこちらから頼んで貰ったところ、それは自衛官の募集要項だった。迷彩色のティッシュペーパーに、募集の要綱が入っていた。幹部候補生は陸軍だと165名だった。一方兵隊を指す一般曹候補生は3000名だった。海軍は120名に対し1300名だったので、やはりそれだけ陸軍は消耗率が高いのだろうか?なんて勝手に想像した。それにしても現役の自衛官が街頭に立つなんて異常だ。軍事費は増えても所詮それを操るのは人が足りない?徴兵制も時間の問題なのだろうか?そんな危惧が頭を過った。

その昔、皆兵制のスイスで、友人の結婚式に参列した事があった。18歳の時に知り合った同い年のマーチンは、当時から髭を蓄え大人の風貌があった。20歳で徴兵されその後チューリッヒの小学校の先生になった。無事兵役を終え、その時は地元の先生になって、結婚式には既に子供もいた。

その晩は彼の家に泊めて貰うことになった。スイス人は質素とは聞いていたが、出された食事は喉を通る事が出来なかった記憶がある。朝起きると、一家の自給自足を紹介された。例えばトマトやレタスの農作物ばかりでなく、養殖して販売する蛇や昆虫に囲まれていた。とてもチューリッヒのイメージとは程遠い田舎生活だった。元来スイスの物価は高く、麻薬患者の多いから、その清楚なイメージとは真逆の荒々しい国である。永久中立国の美しい言葉の陰には、こうした現実があるからこそ国が持っているのかも知れない。

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