Thursday, 1 February 2018

冬の宇部にて

年は明治維新150周年だと首相が言う。長州の安倍さんだから、思いも一入のようだ。そんな中、冬の宇部市を久々に訪れた。相変わらず海沿いのコンビナートを除けばひっそりとした街である。ガランとして人気のない感じがする。地元の山口大の前を通ると200周年の看板が出ていた。本当かと思って地元の人に聞くと、前身の藩校だった山口講堂があったと教えてくれた。あまり聞いた事はないが、幕末の志士を育てたのだろうか?今になってはその面影は全く感じられない。

寒かったので早めに居酒屋の暖簾を潜った。地元の山頭火と山猿という聞き慣れない地酒が出て来た。やはり地の蒲鉾と長門市の地鶏を肴に暖を取った。

飲んでいる内に、その山口大に行ったTさんを思い出した。子供の頃の友達だったTさんは、大学受験の時に第一志望を東京の国立大学、第二志望を地元の山口大にした。その東京の大学を受ける時、上京して久しぶりに会うと結果発表を見て送って欲しいと頼まれた。して発表の当日、目を皿にして番号を探したが結局見つからなかった。「桜散る」の電報を打つ時は本当に気が滅入った。そしてTさんは山口大に行くことになったが、以来関係は疎遠になり二度と会う事はなかった。こうして来てみると、遠い昔の事だが、この地で過ごしたTさんに複雑な思いを馳せるのであった。

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