最近、ベンジャミン・ジョッフという人のプレゼンテーションのビデオを見た。タイトルは「最近のハードウェア起業」というシリコンバレーの話であった。彼はHAX社というアメリカの投資家であり、日本語も流暢な知日家であった。話は、大企業だったら何年も掛かる商品化をベンチャーが安く短く成功させる内容だった。そんな彼が日本で中々ベンチャーが育たない理由をセイフティーネットがないからだと解説していた。例えば日立は一度出ると二度と戻れない会社だが、アメリカではそんなことはないばかりか、長期の失業手当てがあるから再チャレンジ出来るという。その安心感がシリコンバレーを支えていて、改めてアメリカの懐の深さを感じたものだった。
そんな話を同僚のHさんにしていたら、「ああ、その人だったらTEDに出ていましたよ!」というではないか!「え!、でもTEDって何?」と聞き返すと、NHKの番組だと教えてくれた。深夜にやっているプレゼンテーションの番組なので今まで知らなかった。世界の知名人を収録しているようで、若い人達は結構見ている事を知って驚いた。そのベンジャミン氏もそこのプレゼンターの一人だった。
同氏はそのプレゼンで、LEDの発明者の中村教授の言葉を引用して「日本からは中々世界が見えない!」と語っていた。それはとても心に突き刺さる言葉であった。それから現在のシリコンバレーを支えるのが実は若い中国人ということもあって、これからは日本もそうした人たちと協力していかないと駄目・・と諭していた。日頃、尖閣諸島や南沙諸島ばかり気にしている者にとって、それはとても新鮮なフレーズでもあった。それにしても、HAX社やTEDなど、歳を取ったせいでいつの間にか置いて行かれた世界だった。
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