古本屋で見つけたライシャワー大使の「ザ・ジャパニーズ・トゥディ(The Japanese Today)」と、ハル夫人の「絹と武士(原題:Samurai and Silk)」を続けて読んでみた。どちらも今から30年程前に書かれた。
The Japanese Todayは所謂外から見た日本人を描いている。かつて日本人はイザヤ・ベンダサンやルース・ベネディクトを通じて自身の姿を初めて知った時代があった。それに比べと驚きは少ないし、それから又30年も経つと、今は少し違った日本人になっている気がする。しかし所々にユニークな視点がある。例えば日本人は酒を飲んで酔っ払う事を無礼講とする風土がある。それは閉ざされた社会の息抜きであるが、日本人の食生活は酵素が不足し低脂肪なので酒に酔い易いと言っている。果たして本当だろうか?
一方ハル夫人の本は、両親の松方家と新井家を描いたもので、著名な家系図は幕末から明治に至る日本史そのものである。有名な松方正義のみならず、国際文化会館の松本重治氏や駐米大使の牛場氏、森村財閥、三菱の岩崎弥之助など、キラ星の如くである。こうした星の下に生まれた人には敵わない!と改めて思った。英語はNHKのラジオを聞いて学んだり、西町インターナショナルに子供を通わせたり、大衆のやる事に思えて来た。それにしても開国後の日本人の変わり身の早さといい、その立派な仕事ぶりといい、当時は凄い時代だった。
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