Friday, 22 September 2017

三保の松原

富士山が世界遺産に登録された時、三保の松原がセットだった。富士山はどこからでも見れるが、駿河湾から望む光景が評価されたようだ。だったら一度は見てやろうと、今週はその三保の松原を訪れてみた。

行ってみると普通の松林の浜辺だった。確かに、松の形が少し曲りくねったのは珍しい形だったが、ただそれだけであった。生憎この季節はガスが掛かっていて、富士山は見れなかった。掃除をしていたおじさんに聞くと、「富士が見れるのは一年の三分の一位かな?冬にならないと駄目だね!」と言われた。早速引き返すと、それと知らずドンドン押し寄せてくる観光客とすれ違った。浜辺だけだと直ぐに終わってしまうので、遥か遠くにバスを止めて神の道と称する松林を歩かされていたのは気の毒だった。

その松林にはフランスのバレリーナの碑があった。三保の舞に魅せられたフランス女性の髪を祀ってあるという。帰りに寄った日本平にも、「赤い靴」の母子像に出会った。こちらは童謡の「赤い靴」を履いた少女の母親が清水市の出身の所以らしい。どちらも取って付けた様なチグハグの違和感があった。富士山と松原を重ね合わせた広重の世界が、手を加える程にそのシンプルさが失われていく。

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