長崎に行く途中、陽も暮れたので佐賀に泊った。博多から特急さくらで1時間、人に言わせれば「何もない佐賀」である。有名人も久留米は多いが、佐賀は大隈重信ぐらいだ。そうは言っても鍋島藩のお膝元である。朝早く起きて散歩すると、城跡から流れる天祐寺川の遊歩道は立派であった。今では通る人もいないのか、彼方此方で蜘蛛の巣に邪魔されベトベトになってしまったが、透き通った水は美しかった。
その鍋島藩も日本酒にその名を残すだけになってしまった。流石に地元の居酒屋には置いてあり、きびなごとの相性も良く堪能した。2杯目に頼んだ「東一」も更に素晴らしかった。そんな旅情に浸っていると、何年か前に泊った鳥栖を思い出した。
ホテルは駅前に1軒だけで、「食事する処はあるんですか?」と不安になる過疎地だった。ところがホテルで紹介された居酒屋に行ってみるとビックリした。それは地鶏のみつせ鳥を出す店で、素人にも味の違いが分かる程鳥が新鮮だった。そして驚いたことには、聞いた事のない地酒が飲み放題で振る舞われていた。その時、改めて旅の醍醐味を実感した。まだまだ地方には少量多品種の食材がゴロゴロしている!
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