Sunday, 6 August 2017

チリッチの母国で

アドリア海の最後は、クロアチアのプーラ(Pula)という古代ローマのコロシアムが残る町に泊まった。ホテルの受付嬢が、「昔XXの皇太子が泊ったの」と言うがそれが誰だか分からなかった。100年以上前の建物だったので、高い天井とガランとした廊下は人気がなく夜は怖かった。翌朝そのコロシアムを見に行った。入口で足元を横切った大きなトカゲがいた。まるで当時から住んでいるようだった。プーラからローマまで陸で800Km、ベニスまでは船で140㎞、正にそこはローマ帝国の一部だった。


そのプーラに行く途中、リエカ(Rijeka)という港町で休憩した。その日は、ウィンブルドン男子決勝の日で、フェデラーとチリッチのカードだったので、どこかで見たかった。チリッチは地元クロアチア出身なので、さぞかし盛り上がっているのだろう。パブに入ったが2~3人の客とウェイターもあまり関心はないようだった。内戦の続いた国ではテニスどころではないのだろうか?そんな事を考えながら、独りで記念すべき一戦をクロアチアで見れた幸せに浸った。

プーラからスロヴェ二アに入り、まずUNESCOの世界遺産になっているシャコッアン洞窟を見学した。日本からのツアーになっているのは、もう一つのポストーニャ洞窟の方である。何故、世界遺産の方に行かないのか?その理由が行ってみて分かった。ポストーニャ洞窟はトロッコ電車で周るツアーだが、シャコッアンは全コース2時間かけて歩くハードなツアーだった。寒く長い洞窟も沙流ことながら、最後は山頂に戻る山登りが結構きつかった。体力のない人だったら、途中でくたばってしまうだろう。その洞窟だが、山口の秋芳洞と比べると、坑内の広さは桁違いだった。凄かったのは発見当時のルートが残っていたことで、真っ暗の中、命がけで開拓した様子が伝わってきた。

その日は近くの民宿に泊まった。小さな宿にドイツ人やインド人が泊まっていた。お腹は左程空いていなかったので、スープとチーズ、それに赤ワインで取ることにした。スープは芋を潰した中に肉が入っていて非常に美味かった。ドイツ人夫妻と、日独の定年後の話で盛り上がった。

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