コトルからアドリア海に沿った旅が始まった。次の目的地は今回のハイライトであるクロアチアのドゥブロヴニク(Dubrovnik)である。ところが途中で道を間違えて、また山沿いのボツニア・ヘルツゴビナの町に入ってしまった。この辺りは3つの国境線が交わっているので、うっかりしていると直ぐ越境してしまう。そこから南下してクロアチアに入ろうとすると、国境で車が長い列を作っていた。どうやら、EU(のクロアチア)に入る鬼門のようで、一台10分ほどを掛けて念入りに調べていた。結局35度の炎天下、トロトロと3時間程待たされたのには参った。クーラーを掛けるとバッテリーが上がるので、只管我慢すると熱中症ぽくなってしまった。前の車の人が氷水をくれて、「これで顔を洗え!」と冷を分けてくれたり、後ろの人が、「日本人の方ですか?」と流暢な日本語で話しかけてきた。聞くと奥さんが日本人とかで、皆大人しく待っていた。
そのドゥブロヴニクであるが、ガイドブックで見た通りの赤レンガの屋根が犇めく美しい都市だった。紛争で壊れた建物は修復され、見事な中世の街並みが復元されていた。ただバルカン半島最大の観光地ということもあって、多くの観光客で溢れかえっていた。耳に入ってくる中国語を聞きながらでは、あまり旅の気分にもなれず、城内を一周した処で退散することにした。
その日は市内の民宿に泊まった。年配の爺さんが一人でやっていた一軒家で、坂道に面した薄暗い部屋は、車の騒音で眠れなかった。翌朝は逃げ出すように町を出た。
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