Sunday, 27 August 2017

Sさんの乗馬

久々にSさんと馬を乗りに行った。Sさんは元大学の馬術部だ。「厩舎の掃除なら俺の右に出る奴はいない」と豪語する本格派である。その大きなビール腹からは凡そ想像出来ない。最近では乗馬から競馬になった。その知識なのか、選んだ馬の系図を見て、「親は東大に入ったが、最後の上級公務員試験では落ちたってクラスかな?だからこの子はいい血筋だ」みたいな訳の分からない事を云っていた。

ところがいざ騎乗の人になると、人が変ったかのようにキリットし始めた。とてもここ10年は乗っていないとは思えない程慣れていた。最初は軽い歩行から、徐々にスピードを上げてギャロップに入った。そのずんぐりとした体形は、いつの間にか背が真っ直ぐ伸びて、滑らかな上下運動を繰り返していた。正に普段お目に掛かれない勇姿であった。何やら「日本の馬は皆んな競馬の引退馬だから上下運動が要るが、海外の馬は普通の馬なので優しい」らしい。

乗馬で難しいのは鐙の捉え方だ。鐙に深く靴を突っ込むと落ちた時に絡んでしまう、だからつま先を掛けるように浅く捉えるのが基本だ。しかし上下運動のバランスが悪いと、その浅い鐙が抜けてしまう。もう一つは綱の長さだ。短すぎると直ぐに引いて馬は止まるし、長いと止まらない。誰も居ない真っ直ぐな道で思い切ってムチを入れると、もの凄いスピードで走り出す。流石元競馬のサラブレッドだけある。1時間も乗ると、馬もハーハーと汗ビッショリになる。その一体感が何ともいい。

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