その時、「ここまで有名になった人が、どうしてそんな事に拘るのだろう?」と不思議に思えた。しかし最近、旧知のKさんと飲んだ時にも同じような事を聞かされた。Kさんは慶大を出たビジネスエリートで大変な成功者だが、東大に落ちたらしい。でも最近になって「都立高校には一番で入った」と言い出した。受験をしたことがない者にとって、そんな事はどうでもいいことだったが、70歳を超えた今、何故そんな自慢話をし始めたのか、これも理解できなかった。ひょっとして、晩年を迎えると自身の生きた証が欲しくなるのかも知れない。
所詮、東大に入ってもそのコンプレックスが続く人は山ほど見てきた。会社に入った時、マンツーマンは東大の法学部を出たIさんだった。Iさんは開口一番、「僕は公務員試験の順位がXX番だったから、この会社に入りました・・・」と言う。聞いている内に、「だったら俺はどうなるの?」と逃げたくなった記憶がある。そんな誰もが不幸な気持ちで生きている社会を、改めて考えさせられた。
No comments:
Post a Comment