Tuesday, 25 July 2017

続バルカン紀行


今年の夏も、昨年に続きバルカン半島を旅した。今回は半島の西側、つまりアドリア海に沿ったクロアチア、モンテネグロなどの諸国である。只管走ること3200Km、昨年と合わせると6500Kmを踏破したから、これで半島を殆ど制覇した事になり正直ホッとしている。




バルカン半島など一昔前なら旅行など考えられなかった地域だ。昔から「ヨーロッパの火薬庫」と云われ、充満したガスに火を点ければいつでも爆破する危険なイメージがあった。その象徴が第一次大戦の引き金になったサラエボ事件だった。サラエボを訪れたオーストリア皇太子がセルビア人に殺害されたのを切掛けに、国々が二分され相交えた。それは戦後に国として成立したユーゴスラビアの形に引き継がれた。ユーゴスラビアとは南スラブの意味である。キリスト教徒とイスラム教徒が合い交える独特の地域に、50百万人近い人々が軒を重ねるように暮らしていた。ただ、今まで無かった国境線が引かれた辺りから全てが始まり、おかしくなった気がする。



これは外から見ていると中々分かり難い世界である。日本人のみならず、ヒッチハイクで乗せたフランス人学生も同じようなことを言っていた。唯一見えて来たのは、あれから20年経ち人々の生活が落ち着きを取り戻し、旅行者が安心して回れる環境になった事だ。食べ物は安くて美味しいし、豊かな自然と東西の歴史が融合する手付かずの遺跡がそこに残っている。美しいエメラルドの海で皆んな裸で泳いでいる風景を見ていると、過酷な紛争があったなんて本当に信じられない。

と言う事で、これから何回かに渡り、「続バルカン紀行」と称し紹介して行きたい。

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