Wednesday, 10 May 2017

アメリカのいじめ(hazing)


名門のペンシルバニア大学でこの2月、学生が酒を大量に飲まされて死亡する事件があった。今週その結果が公表され、関わった18人の学生の内8人に判決が言い渡された。被害に遭ったのは19歳の男子学生でアメリカンフットボールの選手だった。事件は寄宿舎の儀式で酒を飲んで走る中に起きたらしいが、ニュースでは、(適訳か自信はないが)hazing(いじめ)という言葉が使われていた。


驚いたのはその公表で、関わった学生氏名と陪審員が罪と認めた投票数、そして大学関係者のヒアリングが全て公表されていたことだった。流石に個人の判決部分は黒塗りで隠されていたが、その開示はとてもアメリカらしかった。これも始めて知った言葉だが、故殺(manslaughter)という言葉があった。故意ではなく結果的に殺人を犯したという意味のようで、加害の学生を指していた。また一気飲みだと思うが、dryという言葉も出て来た。


新入に酒を強要する事は身近でも山ほどあった。中には急性アルコール中毒で意識を失い、救急車を呼んだこともあった。自身もその昔洗礼を受け、気が付いたら翌朝大広間のビールの海で目を覚ましたこともあった。所詮は飲めない者に飲ませて、優越感に浸る快楽に過ぎない。正にそれは今風の言葉で云えばいじめであるが、その処罰の在り方にやっと真面なものを見た気がした。

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