5月のゴールデン・ウィークも終わった。今年は好天に恵まれ、風は強かったがいい日が続いた。こんな時はわざわざ遠出して渋滞に巻き込まれるより、東京にいるに限る。車が少ない分、空気が綺麗だから、どこからともなくいい香りが漂ってくる。きっとツツジの花だろうか、正に風薫る五月である。
さぞかしレストランは空いているだろうと思っていたが、意外と行ってみると混んでいた。好物のスパゲティーを近所のイタリアンに食べに行ってみた。若い人が多く、隣併せたカップルは20代後半だったか、男が一方的にしゃべっていた。何やら戦争中の特攻隊の映画を見たらしく、「あの気持ちって凄いんだ!」みたいな事を話していた。「ちょっと場に相応しくないな?」と思って聞いていると、料理はどんどん出て来て、女は黙って食べていた。しかし、やっと場が白けていたことが分かったか、男は「話題を変えようか?」と切り出した。
5月病は、きっとこんなミスマッチかも知れない。それは心の衣替えで、外は明るいのに、気持ちは未だ冬だったりする。それにしてもこの季節は急に日差しが強くなり、新録のくっきり感も半端でない。そして公園の野花の可愛らしさに、生命の息吹を感じる。今まであまり気が付かなかったが、東京はこの時期を境に春を通り越して夏になる。
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