カラスは普段大人しく場合によっては人懐こい。だが繁殖期や群れを成すと怖いし、何より図体が大きく黒が気色悪い。その恐怖を煽ったのが、ヒッチコックの映画「鳥(原題:The Birds)」であった。
ヒッチコックの「鳥」は、昔の人なら大体知っている映画で、カラスが人間を襲うホラー版である。場所はてっきりアメリカと思っていたが、実は撮影はフランスのディナール(Dinard)という港町で行われた。随分前になるがそのロケ地を訪ねると、肩にカラスを乗せたヒッチコック像が建っていた。
ディナールはブルターニュ地方の小さな町で、湾を隔て観光地のサン・マロ(St.Malo)がある。サン・マロは今でも立派な要塞が残っている中世の港町である。近くには有名なモン・サン・ミッシェルもあり、百年戦争やアーサー王伝説の頃には英国人が闊歩していた面影満載の土地である。カラスの除去でそんなことを思い出した。
No comments:
Post a Comment