Thursday, 13 April 2017

チーズはどこに消えた?

一昔前に「チーズはどこに消えた?(原題:Who Moved My Cheese?)」という本がベストセラーになった。ストーリーは、消えたチーズに代わる新たなチーズを求めるネズミの話であった。企業の研修でも使われ、ある時会社に外人のコンサルタントがやって来てこの教材を使った。彼は「常にチャレンジしなくてはいけない!」と奏して演じた。最後は出席者を街に繰り出し、チーズならぬ新発想を探させたが、参加者は何が何だかさっぱり理解出来きず、白けた雰囲気になってしまった。

それもそのはず、農耕民族はジッとしているのが一番だからである。良かれと思って撃って出ると大体失敗する。それは狩猟民族との大きな違いである。それを良く表したのが、例の毛沢東の主治医が書いた「毛沢東の私生活」である。今でも息が詰る当時の雰囲気が伝わってくる。

それは、生き抜くには他人の嫉妬の中で、柳のように流れに身を任せる姿勢が如何に大切かを教えてくれる。結局はチーズなど探しに行かなかった人達が生き延びて、その子孫が今の中国を担っている。毛沢東は今でも天安門の上から見下ろしているから、その風土は今も昔も同じだろう。

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