Thursday, 9 March 2017

ブルとベアー

とある集まりの席上、誰かがブルとベアーの話をし始めた。どちらも相場言葉で、ブル(牛)は強気の上げ相場、ベアー(熊)は弱気の下げ相場を指す。Wさんが「その語源って知っていた?」と聞くと、多くの人は「牛は荒々しく、熊は大人しそう」のイメージと答えた。するとWさんは、「それは違います!”牛は攻撃するときに角で突き上げるが、熊は立ち上がって上から覆い被さる”のが正解です。その姿が由来です」と開陳してくれた。今更だが、意外と知らずに使っている言葉も多いものだと思った。

そう言えば、ボイコットもそうだ。ボイコットは拒否する時に使われるが、元々はイギリスのボイコット大尉(Charles Boycott)から来ている。イングランドからアイルランドに土地管理人として派遣されたボイコット氏だったが、あまりの強権に農民から抵抗があり、以来要求の拒否には彼の名前が使われている。またリンチ(Lynch)氏の場合もそうだ。ボイコット氏と同じアイルランドのコーズウェイに住んでいた。こちらは15世紀の判事だったが、法を破った息子を窓から吊るした。今でもその窓が生々しく残されており、リンチの諸説ある由来の一つになっている。

何気ない外来語に歴史が詰っているから、気が付いた時には点と点が面になる面白さがある。

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