そのロックフェラー氏(David Rockefellar)がこの20日に亡くなっていた。その事をある人に教えてもらい知った。享年101歳だったようだ。勿論ご本人には会ったことはないが、最近不思議な縁を感じている。それは1970年代だったか、インドネシアで大丸やトヨタが襲撃され、ジャパンパッシングが起きた事があった。当時の首相は田中角栄であった。高度成長期の日系企業によるアジアでのオーバープレゼンスは、恰も南進と称して太平洋戦争のイメージと重なっていた。
反日を煽っていたのは現地の学生であった。だったらこちらも学生をと、政府財界でそんな機運が高まった。そんな矢先、ある人に誘われてインドネシアに行ってみないかという事になった。そうは言っても肝心のおカネがない。困っていると大学教授から財界の重鎮を経て、アジア財団を紹介された。アジア財団は当時白金に事務所を持っていた。言われるままに訪問すると、日本屋敷に絨毯が敷かれており、出て来たアメリカ人から「土足で上がっていい」と言われて驚いた記憶がある。そして紹介された名刺の威力で渡航費が支給されて、現地に飛び学生同士の親交を深めた。やがて彼らも日本に招待し、事件は沈静化した。
改めてそのアジア財団を見てみると、理事のリストにはスタンダード石油の面々が名を連ねている。かのロックフェラー家のルーツもスタンダード石油であったので、それはロックフェラー財団そのものであった。今から考えれば意外と利用されたのかも知れないが、貴重な体験をさせて貰ったのは事実だった。今回40年以上前のそれを思い出し、不思議な気持ちになった。
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