近頃まで、日銀は国の銀行だと思っていた。通貨の番人と中立性で、時の政府から独立した金融を司ると教えられてきた。しかし政府の持ち分は65%で、残りは誰が持っているのかよく分からない。上場しているから誰でも3百万円程出せば株は買えるが、それにしても多くは誰が持っているのだろう。
そんな中、20年以上前に出た、ユータス・マリンズ著「民間が所有する中央銀行(原題:The Secrets of the Federal Reserve )」を読むと、益々怪しい世界が見えて来る。あのFRBの話だが、株主は純粋な民間銀行で政府ではない。その発足もジキル島で秘密裡に練られたというから、正にミステリー風である。読んでいて、限られたファミリーの名前が繰り返し出て来る。その登場人物の多さに中々付いてはいけないが、大統領、イングランド銀行も絡んだ株式の持ち合いは凄い世界である。時々アメリカやヨーロッパでとてつもない金持ちがいるが、きっとこうした関係者なのだろう。
それにしても、20世紀の初めにこの制度を考えた人たちはとても頭がいいと感心した。単なる紙をおカネとして刷り、政府と人々に貸して金利を取る。今でからこそ当たり前の仕組みだが、黙っていても胴元が潤う仕組みである。それから100年以上が経ち、その信用創造は益々肥大化している。時々、世の中は何か大きな力で動いているように感じることがあるが、その一つがこのシステムなのかも知れない。
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