太平洋戦争の次は、ヨーロッパ戦線のベストセラーであるグレゴリー・フリーマン著「忘れられた500人(原題:The Forgotten 500)」を読み始めた。連合軍はノルマンジー上陸後、ルーマニアの石油精製所であるプロスティ(Plostie)に連日爆撃を加えた。プロスティの石油は、当時ルーマニアの輸出の40%を占めていたというから重要拠点であった。物語はそこに落下した空軍将兵を救出する話である。
舞台になった場所は、たまたま昨年にレンタカーで通ったので懐かしかった。ルーマニアの首都ブカレストの北西に位置し、ドラキュラで有名なブラショウから山を下りて来た平地にある。高速道路から見た感じでは何もない風景で、この小説が無ければ単なる工場地帯の印象で終わるところだった。
作戦名はハルヤード(Halyard)作戦と呼ばれた。救助したのは、映画「ナバロンの嵐(原題:Force 10 From Navarone)」でも出て来たユーゴスラビアの反独の組織チェトニック(Chetnicks)であった。主人公の一人が、ゲッペルス夫人と同じ飛行機になったことが幸いし、脱出に成功するスリル感もある。ただ全体的にドキュメンタリーの色彩が強いので、読んでいると飽きが来る。
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