大阪に行った際、和歌山まで足を延ばし、高野山に登った。電車を乗り継ぐこと2時間半、着いた先は霊場に相応しい深山の聖地であった。下界では冬だというのに温かな日であったが、そこは時折雹が降る寒さであった。
杉の大木の合間を歩くと、1200年を経た多くの墓が沢山並んでいた。墓石に付いた苔が長い年月を感じさせた。知った名前も多かった。織田信長と明智光秀、徳川と豊臣、そして井伊、武田・・安芸の浅野家はあの浅野内匠頭だろうか、かつて歴史上の因縁同志が、終わってみれば同じ場所に眠っている・・・それはとても不思議な光景だった。その他、陸軍や海軍の部隊や最近では会社名義の慰霊碑も多かった。
それにしても、折角下界から逃れても、こうして毎日、世界から来た観光客の視線に晒される霊の気分ってどういうものだろう?静かにしておいて欲しいのか、それとも時を経て見られ続いていることを喜んでいるのだろうか?こればかりは分からなかった。車もない時代に、大きな墓石をどこからどうやって運んだのだろうという疑問も残った。寺や道路は良く整理され、今でも人々の営みが続いていることも驚きだった。
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