今年もまたノーベル賞の季節がやって来た。そう思っていた矢先に、生理学の大隅教授が受賞したニュースが入った。毎年日本人が選ばれ、とても光栄である。ただいつも、理科系の研究中身についてはさっぱり分からない。兎に角専門的で難し過ぎる。一方、平和賞や身近な文学は少な駆らず良し悪しが分かる。何年前だったか、村上春樹が本命視されていた時、中国の莫言が受賞した。早速有名な「赤い高粱」を読んでみたが、なんだコレ!?の世界だった。一方の村上氏も余り好きではない。ふわふわした文体で、掴み処が無くどうもしっくり来ない。
そんな時、いつも主人公のアルフレッド・ノーベルを思い出す。彼は生涯孤独で、唯一の恋は花売り娘だった。それも果敢なく終わり、仕事に明け暮れた人生だった。時あたかも第一次大戦、ダイナマイトの需要は急増し、最後は巨額の富が残った。
ストックホルムの授与式は、今では世界クルーズで入港する観光客のツアースポットになっている。同じホールで正装して会食するのだが、賞に託けたビジネスである。お金の力は大きいから何とも言えないが、これで人生を左右する学者も多いだろう。もっとサラッと受け流していい世界だと思っている。
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