Tuesday, 11 October 2016

ポンド安とシティー

EUからの離脱を受け、英国ポンドが最安値を付けたという。固定相場時代が860円だったので、今の127円は価値が1/6弱になった計算だ。ドルは360円から100円なので1/3弱だからその落ち込みは倍である。日本で言えば500円玉が100円玉になった感覚だろうが、それにしても英国経済が衰退は激しい。心配なのはシティーの今後だ。

思えば、シティーは時代のニーズを受け入れて来た。植民地時代の貿易金融がマーチャントバンクを生み、戦後はアメリカから流れたユーロドルで潤った。そしてユーロが生まれる前は、各国通貨のアービトラージの中心だった。それを支えたのが、シティーの街並みだ。一マイル四方に凝縮した空間は、ディーラーやバンカーにとって居心地がいいものだ。インターネットの時代とはいえ、所詮シンジケーションは人と人の関係で決まる。最近は郊外に移転する銀行が多いが、その基本はそう簡単には変わらない気がする。

加えて為替の自律機能だ。ポンドが弱くなれば、観光客にとっては好都合である。落とすお金も増え、消費が経済の好循環に繋がって行く。イタリアやギリシャの経済が中々立ち直れないのは、このツールがないからだと常々思っている。フランスはファッション、ドイツは自動車、英国には金融が似合うので頑張って欲しい。

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