友人のM君が「これ面白いよ!」と、北岡伸一著「福沢諭吉の挑戦、独立自尊」を取り出した。M君が云うのだからと、早速アマゾンで取り寄せた。まだ5年前の本だと言うのに価格は1円だったのには驚いたが、最初の数ページでその通りと確信した。
著者は東大の先生だが、今ではJICA理事長を務める実務派だけあって、文章に思い入れと躍動感があった。勿論福沢の「福翁自伝」や「文明論之概略」などは読んでいたが、改めてその生涯が立体的になった。中津に残してきた母親のことや、結婚しても奥さん・子供を「~さん」付けで呼んでいたことなど、より身近に感じた編集だった。
特に、今に通じたのは朝鮮(現韓国)のことだった。朝鮮からの留学生を自宅に受け入れ、一方で中国との従属関係を憂いた。結果は日韓併合に至ったが、あの時に日本の傘下に入らなければ中国かロシアの属国になるしか道はなかった。そして、その後の戸籍制度による奴婢の解放も無かった。朝鮮シンパの伊藤博文を暗殺したのは全くお門違いだったし、福沢はその辺いいセンスで対応していた。
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