Thursday, 1 September 2016

俺たちバブル出向組

池井戸潤の「俺たちバブル入行組」は面白い本だった。当時の実体験が伝わってきた。バブルというと華やかな一瞬があったが、殆どはその後の後始末を想像する。戦争を始めるのは容易いが、戦後の処理にその数十倍のエネルギーが掛かる・・・。

そのバブルの真っ最中に、役所の外郭団体に出向した。仕事は楽だしノルマもない中、同じような年頃の出向者が5名揃った。金利が8%の時代、何をやっても資産が膨らむ・・・暇に任せて株で一財産を築き、ゴルフ会員権や別荘を買った人も多かった。給料やボーナスもうなぎ上りだったので、毎晩皆で六本木に繰り出した。いつも最後は西麻布の「Shirin]という店に寄った。カウンターの前に障子の格子があり、見ていると格子毎に色が変わった。ある時その仕掛けを見せてもらうと、何のことはないテレビが裏に入っていた。YMOの細野さんの店だったらしいが、他愛もない雰囲気に、当時は入り浸った。

今週、その仲間の一人から電話が掛かってきた。今度東京に出てくるので、久々に昔の仲間が集まりたいと云う。言わば「俺たちバブル出向組」、一緒に遊んだ若いプロパー達も皆んな☓△部長になっている。バブルと聞くとその後の苦い思い出ばかりだが、少しは楽しいこともあった

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